ROS Pythonでオイラー角とクォータニオンの相互変換
ROSでオイラー角とクォータニオンを変換するには、tfパッケージの関数を利用すれば良いのですが、 単体の関数として使うには少々使いづらいので、簡単なラッパー関数を作りました。
オイラー角からクォータニオンへの変換
import tf from geometry_msgs.msg import Quaternion def euler_to_quaternion(euler): """Convert Euler Angles to Quaternion euler: geometry_msgs/Vector3 quaternion: geometry_msgs/Quaternion """ q = tf.transformations.quaternion_from_euler(euler.x, euler.y, euler.z) return Quaternion(x=q[0], y=q[1], z=q[2], w=q[3])
実行例
>>> import math >>> euler_to_quaternion(Vector3(0.0, 0.0, 0.0)) x: 0.0 y: 0.0 z: 0.0 w: 1.0 >>> euler_to_quarternion(Vector3(0.0, 0.0, math.pi / 2.0)) x: 0.0 y: 0.0 z: 0.707106781187 w: 0.707106781187
クォータニオンからオイラー角への変換
import tf from geometry_msgs.msg import Vector3 def quaternion_to_euler(quaternion): """Convert Quaternion to Euler Angles quarternion: geometry_msgs/Quaternion euler: geometry_msgs/Vector3 """ e = tf.transformations.euler_from_quaternion((quaternion.x, quaternion.y, quaternion.z, quaternion.w)) return Vector3(x=e[0], y=e[1], z=e[2])
実行例
>>> quaternion_to_euler(Quaternion(0.0, 0.0, 0.0, 1.0)) x: 0.0 y: -0.0 z: 0.0 >>> quaternion_to_euler(Quaternion(0.0, 0.0, 0.7071, 0.7071)) x: 0.0 y: -0.0 z: 1.57079632679
参考URL
ROS Pythonにおけるuint8[]の扱い方
ROSでuint8[]
型を利用しているトピックをPythonで使う場合にハマった点です。
環境
- Ubuntu 14.04
- ROS Indigo
rospyにおけるuint8[]
型の扱い
ROSのメッセージ型に関するリファレンスを参照すると、uint8[]
型について以下のような記述があります。
uint8 has special meaning in Python. uint8[] is treated as a Python bytes so that it is compatible with other byte-oriented APIs in Python.
rospy treats
uint8[]
data as a bytes, which is the Python representation for byte data. In Python 2, this is the same as str.
Pythonでは、ROSのuint8[]
型がbytes型(Python 2系ではstr型)として扱われるらしく、これは時に厄介な問題を引き起こします。
発生した問題
とあるセンサー群の測定値を測定するメッセージ型を以下のように定義しました。
foo_package/msg/FooSensor.msg
uint8[] value
そして、以下のようなシンプルなPublisherとSubscriberを作成しました。
publisher.py
import rospy from foo_package.msg import FooSensor def publish(): publisher = rospy.Publisher('/foo', FooSensor, queue_size=1) value = FooSensor(value=[100, 110, 120]) r = rospy.Rate(1.0) while not rospy.is_shutdown(): publisher.publish(value) r.sleep() publish()
subscriber.py
import rospy from foo_package.msg import FooSensor def callback(data): rospy.loginfo(data) rospy.loginfo(data.value) def subscribe(): rospy.Subscribe('/foo', FooSensor, callback) rospy.spin() subscribe()
publisher.py
, subscriber.py
を実行すると、以下のような2つのINFOレベルのログが出力されます。
- [INFO] [WallTime: 1461145922.975544] value: [100, 110, 120]
- [INFO] [WallTime: 1461145941.678116] dnx
data
自体を出力すると、valueにint型の数値が入っているのが確認できるのですが、data.value
を出力するとdnx
という文字列が出力されてしまい、配列の要素をint型として利用することが出来ません。
対処方法
対処方法はあまり根本的なものではないのですが、valueの各要素のASCIIコードが本来のintの値なので、ord
関数で変換してあげることでint型の配列を得ることが出来ます。
def callback(data): int_array = [ord(n) for n in data.value] rospy.logwarn(int_array)
再度実行すると[100, 110, 120]
という配列が出力されます。
ただし、この処理は直感的でなく、uint8[]
型以外に対してはエラーを返すため、あまりオススメできません。出来れば、メッセージ型の定義部分でuint16[]
等を利用することで回避するのが好ましいと思われます。
参考URL
PIRセンサ(SB00412A-1)とMilkcocoaで簡易見守りシステムを構築
見守りシステムで家の中に監視カメラを置くなんて話がありますが、さすがに部屋をずっと撮影されているといい気持ちはしないと思います。そこで、前の記事で紹介したaitendoの人感センサ(SB00412A-1)のデータをRaspberry PiからMilkcocoaにアップロードして、簡単な見守りシステムを構築します。
PIRセンサならば見られてる感もないですし、留守じゃないのに全く反応がなければ何かがおかしいはずなので、簡易的な見守りセンサーとしては役割を果たせるのかもしれません。
必要なもの
- Raspberry Pi
- PIRセンサ(SB00412A-1)
- ブレッドボード
- ジャンパーワイヤ 4〜6本
- 1kオームの抵抗 3個
配線
Raspberry Piで人感センサ(SB00412A-1)を5Vで利用する方法 - Yura YuLifeの記事を参考に配線してください。
Pythonからセンサー情報を取得してMilkcocoaへ送信
下準備
Raspberry Pi上でMilkcocoaのPython SDKをインストールしておきます。
$ git clone https://github.com/milk-cocoa/python_sdk.git $ cd python_sdk/ $ sudo python setup.py install
また、Milkcocoaのウェブサイトでアプリを作成して、API Key とAPI Secretを作成しておきます。
センサー情報をMilkcocoaに送信
以下のスクリプトを保存し、PIRセンサを接続したGPIOのピン番号、MilkcocoaのアプリID、API Key、API Secret、データストア名を記入します。
後は$ nohup ./pir_to_milkcocoa.py &
で動かしておけば、30秒毎にMilkcocoaにJSONデータが送信されます。
アプリの管理画面から、確かにデータが送信されていることが確認できます。
データの可視化
Milkcocoaのfreeboardを利用して、データを可視化します。
画面右上のDatasourcesにデータストアを追加します。DATASTOREにデータストア名を記入、API
はpush
を選択します。
続いてADD PANE
からPANEを追加します。TYPEはSparkline
、VALUEにはdatasources["データストア名"]["value"]["count"]
と記入します。
下図のように30秒ごとの検知回数がグラフ化されます。
コレを使えば、不在のはずなのに0以外の値が頻繁に返ってきたり、在宅のはずなのに0ばかりの場合は何かおかしなことが起きている、くらいのことが分かりますね。
参考URL
Raspberry Piで人感センサ(SB00412A-1)を5Vで利用する方法
aitendoで購入したPIRセンサ(SB00412A-1)ですが、Raspberry Piで3.3Vで利用すると誤検知を繰り返し動作が不安定なので、5Vで利用する方法をまとめました。
必要なもの
- Raspberry Pi2 Model B
- 低電圧極小PIRセンサー SB00412A-1
- 1kΩ以上の同じ種類の抵抗 3個
- ブレッドボード
- ジャンパーワイヤ 4〜6本
配線
配線は下図のとおりです。
抵抗3つを利用して、VOUTの5Vの電圧の2/3(=3.3V)を取り出しています。
Raspberry PiのGPIOは5Vに対応していないため、直接VOUTを接続するとRaspberry Pi自体が壊れる恐れがあるので、間違えないよう注意して接続します。
動作用のPythonスクリプトは以前の記事(人感センサ(SB00412A-1)検知時にLEDを光らせる - Yura YuLife)を参照してください。
動作の違い
3.3Vで動作させた場合
人の有無にかかわらず、約7秒間HIGH → 約1秒間LOWを繰り返す。覆いなどをかぶせても同様。
5.0Vで動作させた場合
覆いをかぶせると常にLOWを返し、人が近づいたり動いたりするとHIGHに切り替わる。人が去ると約10秒程度でLOWに切り替わる。
参考URL
ROSのPointCloud2で独自のフィールドを定義
ROSのpclパッケージで独自のフィールドを定義したPointCloud2
のトピックをpublish, subscribeする方法です。
環境
- Ubuntu 14.04
- ROS Indigo
スクリプト例(Publisher)
rvizで確認
上記のスクリプトを動かし、rvizでPointCloud2
型の/custom_point_cloud
トピックを表示すると、下図のように生成した3つの点が色付きで表示されることが確認できます。
$ rosrun some_package publish_custom_point_cloud.py
フィールドの定義
上記スクリプトではFIELDS
の部分で独自のフィールドを定義しています。
FIELDS = [ # x, y, zやrgbなどはよく使われるフィールド名 PointField(name='x', offset=0, datatype=PointField.FLOAT32, count=1), PointField(name='y', offset=4, datatype=PointField.FLOAT32, count=1), ... # 以下が独自のフィールド PointField(name='my_field1', offset=16, datatype=PointField.FLOAT32, count=1), ]
よく使われるフィールドについては pcl/Overview - ROS Wiki の 1.3 Common PointCloud2 field names の項目で列挙されています。
PointFieldの各引数は以下のように定義されています。
string name # Name of field
uint32 offset # Offset from start of point struct
uint8 datatype # Datatype enumeration, see above
uint32 count # How many elements in the field
name
とdatatype
は見ての通り、フィールド名とデータ型です。
offset
はPointCloud2の各点を表す構造体の中で、何バイトのところからがそのフィールドを表しているかを定義するようです。
例えばx
座標のフィールドのFloat32
は4バイトなので、後続するy
座標のフィールドはoffset=4
となっています。
また、count
は当該フィールドのデータ数を表しています。通常は1で良いと思います。
ポイントの生成
POINTS = [ # FIELDSで定義したフィールドを列挙 # [x, y, z, rgb, my_field1, my_field2] [0.3, 0.0, 0.0, 0xff0000, 0.5, 1.2], [0.0, 0.3, 0.0, 0x00ff00, 1.8, 0.0], [0.0, 0.0, 0.3, 0x0000ff, 0.9, 0.4], ]
create_cloud
の3番目の引数には点のリストであるPOINTS
を渡しています。
POINTS
の各要素はそれぞれがポイントに対応しており、各ポイントもリスト型になっていて、FIELDS
で定義したフィールドの順に値が並んでいます。
例えば、count=1
のフィールドが3個の場合は長さ3のリストに、count=1
のフィールドが3個とcount=3
のフィールドが1個の場合は長さ6にリストになります。
スクリプト例(Subscriber)
このスクリプトを動かすと以下のような出力が表示されます。
$ rosrun some_package subscribe_custom_point_cloud.py [WARN] [WallTime: 1456466400.492649] x, y, z: 0.3, 0.0, 0.0 [WARN] [WallTime: 1456466400.492909] my field 1: 0.500000 [WARN] [WallTime: 1456466400.493283] my field 2: 1.200000 [WARN] [WallTime: 1456466400.493446] x, y, z: 0.0, 0.3, 0.0 [WARN] [WallTime: 1456466400.493641] my field 1: 1.800000 [WARN] [WallTime: 1456466400.493788] my field 2: 0.000000 [WARN] [WallTime: 1456466400.493930] x, y, z: 0.0, 0.0, 0.3 [WARN] [WallTime: 1456466400.494073] my field 1: 0.900000 [WARN] [WallTime: 1456466400.494212] my field 2: 0.400000
各ポイントを使うときはread_points
関数を利用すると、publisherのPOINTS
と同じ形式で点群を取得できます。